【書棚から一冊・挿絵のある本(95)….オーブリー・ビアズリー:画、『名言集』( J.M.Dent.London、1893年〜)の挿絵を紹介します!】
オーブリー・ビアズリー画『名言集』の挿絵
『アーサー王の死』の仕事に何かと新しい工夫を凝らそうと苦労しなければならなかったビアズリーの気晴らしにもとおもって、デントが最初に依頼した仕事は、有名な才人達の言葉を集めた『名言集』という小さな三巻本に、いくつかの小さなヴィネット(本の章頭・章尾の小さなカット)を描くことであった。『名言集』は叢書として次々と刊行される予定だったが、先ず小手調べとして、そのうちの三巻だけが出されたのである。それらのヴィネットは、ビアズリー流の日本的スタイルで表現されたユーモラスでグロテスクな感じのものになり、それらは本文の内容とはなんの関係も持っていなかったが、浮き世絵版画及び十七世紀のペン画の巨匠達や古代の医学書の図解とはかなり深い関係を持っていた。ゴールドスミス、シャリダン、シドニー・スミスチャールズ.ラムその他の手になる『名言集』を飾るものとしてはこれらのヴィネットは奇妙なものであったが、それでもその続巻が出されるにつれ、全部で100以上の数になった。」(スタンリー・ワイントライブ著、高橋進訳『ビアズリー』美術出版社、1969年)より。
私は『名言集』の挿絵全てをまとめて見たことがありません。今回は、いろいろな本から、少しづつ集めたものを紹介させていただきました。