初詣は神社に行く人が多いのはなぜ?

【初詣は神社に行く人が多いのはなぜ?】
 西東京市内のお寺と神社を巡ってきましたが、初詣で長蛇の列を作っているのは神社ばかりでした。どうしてお寺へ初詣に行く人が少ないのか、ずっと不思議に思っていました。


・写真上=西東京市総持寺(1960[昭和35]年)撮影。まだ山門がありませんでした。
・写真下=上と同じ場所で2018年1月2日撮影。山門ができて青梅街道から拝殿の全容を見ることができなくなりました。

 
 神社やお寺が明確に区別されるようになったのは、明治以降の話。それまでは、神仏が同一視されていたため、日本人にとっては、信仰上の理由でもない限り、どっちに初詣に行っても構わないはずです。
 本来の初詣は、信仰しているのが神道なら神社へ、仏教ならお寺を参拝します。特に信仰している宗教がなければどちらを参拝しても問題はないようです。
 参詣者が多い有名所でも、明治神宮伊勢神宮成田山新勝寺、川崎大師などお寺、神社、両方共に参詣者が訪れています。お寺、神社、どちらに行くにしても、初詣は、感謝御礼をして、新年を祈願するものです。
 では、お寺参拝のお作法とは、まず本堂の手前に、お線香焚き場がある場合はまずお線香を焚きます。そして、本堂に進んだら鐘を鳴らします。(これらがないお寺もあります。)
 鐘を鳴らしたら、お賽銭を納め静かに合掌し昨年1年間の感謝の気持ちと今年のお願い事をします。神社参拝の時のように手をうたないように気を付けましょう。お寺での参拝は「静」が求められます。静かに手を合わせお参りをすることがポイントです。


追伸:明治維新に伴う神仏判然令 (神仏分離令) 以前の日本は、1000年以上「神仏習合」の時代が続いていました。江戸時代に,国学の隆盛とともに,外来の宗教である仏教的要素を排除し,神道の優位を説く思想が盛んとなり,明治元年 (1868) には神仏判然令が出されるに至ったような経緯があり、未だに特定の宗教に属しない一般人には、葬式以外の行事は主に神式で行う習慣が強く残っているのではないでしょうか?