夢野久作『押絵の奇蹟』(春陽堂、昭和8年)掲載挿絵全5点

これが、横浜のS.Yさんから「誰のサインなのか調べて欲しい」と言われた「mac」のサインがある挿絵のでどころである夢野久作『押絵の奇蹟』(春陽堂昭和8年)に掲載されている全5点の挿絵だ。
 どの挿絵にも「mac」のサインが入っているが、誰が描いた挿絵なのか活字での名前はどこにも記載されていない。






 「挿絵の奇蹟」の初出は「新青年」(昭和4年、第10巻第1号)なので、春陽堂版は初出の時の挿絵をそのまま流用しているのかどうかを調べれば何かがわかるかもしれない。もし同じ挿絵だとすれば、このサインは、松野一夫ではなく、竹中英太郎のサインということになる。
 そう思って「新青年」第10巻第1号を探してみたが、これがなかなか見つからない。古書店にも図書館にも見つからない。
 この冊子には、江戸川乱歩著・「悪夢(のちに芋虫と改題)挿絵5枚」、夢野久作著・「押絵の奇蹟挿絵14枚」、濱尾四郎著・「彼が殺したか(挿絵6枚)」、総数25枚英太郎の挿絵が掲載されているようだが、入手するのは難しそうだ。