深大寺道の終点、深大寺城跡を訪ねる

西東京市市内の消えた深大寺道を追いかけているうちに、深大寺道の始点と終点を見たくなり、とりあえず終点の深大寺城跡に行ってきた。三鷹から深大寺行きのバスで約20分。


 城跡といっても出城は天守閣や石垣などがあるような城ではなく、小高い丘に土塁や空堀(写真上)が残っているだけで、下調べをしていかないと見過ごしてしまいそうなところだ。土塁も復原したものであり、昔のままの姿で残っているわけではない。私にはむしろ観光施設などよけいなものないほうが、昔の姿に近いように思えてよかった。巨木の下で居眠りしていると、上杉の兵士たちが南の北条氏を見守る姿や、馬で川越に向かう姿が瞼に浮かんできた。




 深大寺道は室町から戦国にかけて、小田原北条氏と関東の覇権を争った関東管領上杉氏が拓いた軍道。上杉氏は川越城を本拠に、北条氏に対抗するため深大寺の南の丘に深大寺城(出城)を築城し、その深大寺城と川越本城との間を上杉の兵が往還したのが深大寺道だ。