カエデのプロペラ

♪赤やきいろ〜のカエデやツタは〜♪と、カエデというと紅葉ばかりが思い起こされるが、カエデの種子は、さらにお気に入りだ。


 翼のある実(翼果)が二つ互いに種子があるほうに向かい合う姿でついている。落下するときはヘリコプターのようにくるくると回転しながら空気の抵抗を受け、滞空時間をいっぱいに稼ぎ、なるだけ遠くまで風に運んでもらえるようにできている。
 理科の時間に、カエデの種を見本にして、割りばしの袋のように細長く薄手の紙を真ん中から切り込みを入れ、竹とんぼのように開いて、中心部にクリップをつけて飛ばしながら、カエデの種の精巧さに改めて感心させられた想い出がある。
 小学校の庭にカエデの巨木があって、木枯らしが吹くころになると沢山のカエデの実が舞い降りる。その姿はまるで天使が飛んでいるようで、おとぎの国にでも舞い込んだような気分にさせられた。写真の種子もいい具合に枯れて、もうすぐ回転開始しそうだ。