「芋」というどんな芋を思い浮かべる? 私は初詣の時に境内で湯気を立てているジャガ・バタや、つぼ焼き、石焼き芋のサツマイモかなと、何れもすぐに思い浮かべるほどポピュラーな食材だ。
写真のように芽が出てしまったジャガイモ(馬鈴薯、英名:potato)はインテリアとして飾るのにはかっこいいが、芽や緑化した塊茎には毒性成分ポテトグリコアルカロイド(ソラニンなど)が多く含まれ中毒の元になるので食べないほうがいい。ジャガイモの必死の自己防御なのだから。
ジャガイモは発芽したばかりの芽を動物たちに食べられないよう、表土近くの大きくなった部分の土が雨に洗い流されたりすると、動物に見つかり格好の餌になってしまうので、日があたる部分に体内で作った毒を集め、地上に表れてもソラニンを生成しその毒で食べられないようにしてきたという。
写真は、さいとう やすひさ (イラスト)/よしだ みのる (編集)『じゃがいもの絵本』(農山漁村文化協会、1997年)