「不思議の国のアリス」にハンプティ・ダンプティが?

アリスの話にハンプティ・ダンプティが? そんなはずはない! フレデリック・クレマン『アリスの不思議なお店』(紀伊国屋書店、1997年)は、詩情あふれる文章、美しく幻想的な絵、洗練されたレイアウトに魅了され20年ほど前に衝動買いした絵本だが、価格も2800円と高価で大人向けの本だ。


白い大きな卵形は、ハンプティ・ダンプティではなく「巻き髪」のようだ。
美しい娘たちが巻き髪をふっくらさせて、「うつり気な帽子」がいちばん高い巻き髪を見つけてとまって赤い卵を産んでくれるのを待っている、そんなシーンだ。この画面では分かりにくいが、卵は白い巻き髪のてっぺんにある赤いものが帽子が産み落とした卵だったようで、絵だけをながめていたのか20年もの間、誤解をしていたようだ。