本土上陸が間近に迫っている時期に戦意高揚にはならない、かといって叛意を表わしているわけでもない「週刊朝日」(昭和20年2月20日号)の表紙に掲載された版画家・川西英(1894-1965年) の「鍛練」。あえて戦闘場面を避けた画題からは、画家の精一杯の抵抗が感じられる。サインの「英」は分かるが、丸の中の文字はう〜ん、読めない。


翌日、この丸いサインをじっと眺め分析しながらスケッチしていたら、右端の2つの点が気になり、漢字にはこの点が当てはまる文字が見つからなかったが、「で」ならうまく当てはまり、「ひで」と読むことに気がつき無事解明することができた。