たとえばゾウムシを偶然見つけて標本箱を購入し、最初の1匹を保管する。するとすぐに隣の席にも、もう1匹捕まえたくなる。ゾウムシの形の面白さや種類の多さに驚き、「九州大学所蔵の日本産ゾウムシ1229 種を画像付きデータベースとして構築・公開しています。」等の情報を集めだし、一生かけても集められない程たくさんの種類がいることがわかると、安心してどんどんのめり込む。古書集めも昆虫採集に似ている。(マクラが長過ぎたか!)


本日採集したのは木俣清史、昭和20年代から50年代ころに活躍していたと思われる時代小説挿絵画家だ。小田富弥の弟子で、中一弥の弟分、野口昂明の兄貴分に当たる。『火の鳥伝記文庫ベストセレクション 全46巻』などを手がけているようだ。わかっているのはそのくらいでしかない。さて今日の収穫は「少年講談全集」
・『猿飛佐助』(大日本雄弁会講談社、昭和29年)
・『宮本武蔵』(大日本雄弁会講談社、昭和30年)



木俣清史:画、『猿飛佐助』(大日本雄弁会講談社、昭和29年)、『宮本武蔵』(大日本雄弁会講談社、昭和30年)


これは小田富弥譲りの決めポーズだ。水戸黄門が同じような内容を繰り返しているにもかかわらず人気があるのと同じように、この時代小説挿絵にも麻薬のような慢性中毒性の成分が含まれているようで、一度手を染めてしまうとなかなか抜け出られなくなってしまう。