ゴーレムと機械芸術論と横光利一『時計』の関係

shinju-oonuki2007-01-16

昨年、不忍通り一箱古本市に出かけたが、本を購入せずに写真のゴーレム人形だけを購入してきた。金属製で卵ほどの大きさだが、卵の重さが50gほどなのに比べて70g(実際に計った)とずっしりと重い。



なにか目的があって購入した訳ではなく、手に取った途端に衝動的にどうしても欲しくなり、レジに持っていってしまったのだが、値段を聞いて驚いた。たしか5000円だったように記憶している。


一瞬たじろいだが、欲しくてたまらず、なけなしの金をはたいて購入してしまった。その後は特に手に取るわけでもなく偶像崇拝ででもあるかのようにただ本棚の隅に飾られている。となりにある円柱状の箱はマッチ箱だが、大きさを比較するのにおいてみた。



その後、東京古書会館の下町古書市岡田隆彦『日本の世紀末』(小沢書店、昭和51年)を105円で購入。この本で板垣鷹穂『機械と芸術との交流』(岩波書店、1929年12月刊)の存在を知り捜し求めているが、ネットでは85000円とか50000円とかで売られている。


とても購入できないので、図書館のネットで検索し、中央図書館にあることを突き止め、近所の西東京市柳沢図書館から借りてもらおうと申し込んだが、2週間たった今も何の音沙汰もない。やっとの思いでネット古書店でみつけ申し込んだ『機械と芸術との交流』も、なんの音沙汰もない。中井正一『機械芸術論』もなかなか見つけ出せないでいる。まあ、あせらず1年かけてゆっくりと安い本を見つけだして機械と前衛美術と『時計』の装丁との関係を追求していこうとおもっている。


機械芸術論といえば新感覚主義を提唱する横光利一を思い起こす。横光の著書『時計』の装丁に軽金属(ジュラルミン)が使われていることにすこぶる興味をひかれ、3冊ほど入手してながめている。なぜ金属をつかったのか、どういういきさつがあったのか、興味深い装丁だ。この本が1934(昭和9)年に発行されたのも興味をひく。


先週、吉祥寺の「古書りぶろ りべろ」で井上晴樹『日本ロボット創世記』(NTT出版、1993年)を2100円で購入。この本を読んでいるうちに、これまでばらばらと買い集めていたものが、「二大大戦間あるいは1920−30年代」「機械」「モダン」などというキーワードのもとに、おぼろげながら一つのグループとしてまとまりはじめてきた。



小学生の頃に見た映画「オズの魔法使い」に登場するブリキ製?のみすぼらしいきこりのロボットも思い出されて、今年一年間かけて追いかけていきたい興味の的がまとまり始めてきた。この映画も1939年のもの。


ロボットという言葉は、『日本ロボット創世記』によると、チェコスロヴァキの首都プラハにあったアヴァンティヌ厶社から発行されたカレル・チャペック(1890~1938)が1920(大正9)年に著した戯曲『R・U・R』のなかで初めてつかわれたものらしい。やはり1920年だ。


オズの魔法使い」=1939年のMGM社ミュージカル映画ヴィクター・フレミング監督、ジュディ・ガーランド主演。一部テクニカラーを採用した。エドガー・イップ・ハーバーグ(作詞)とハロルド・アーレン(作曲)による挿入歌『虹の彼方に』(en:Somewhere Over the Rainbow)は、主演のガーランドが歌って大ヒットし、現在に至るスタンダードナンバーとなった。( Wikipedia より転載)


ストーリー=アメリカ・カンザス州に暮らす少女ドロシーは竜巻に巻き込まれて、飼い犬のトトと共に不思議な「オズの国」へと飛ばされてしまう。途中で脳の無いカカシ・心の無いブリキの木こり・臆病なライオンと出会い、それぞれの願いを叶えてもらうため「エメラルドの都」にいるという大魔法使いの「オズ」に会いに行く。写真は「オズの魔法使い」 (The (Wonderful) Wizard of Oz)1900年( Wikipedia より転載)