2011-02-23から1日間の記事一覧

明治中期ころは挿絵界に洋画家がいないどころではない。洋画そのものが日本に上陸するには国粋主義者などの抵抗勢力によって弾圧を受け虐げられ、決して恵まれた状況にはなかった。

その頃の事情は「明治十四、五年までの我画壇は、洋風美術の溌溂たる隆興時代であった。之がため従来の日本画はその勢力下に隠蔽されてしまひ、彼の橋本雅邦や荒木寛畝、川端玉章、奥原晴湖女史なども一時は洋画に心を走らせた位であつた。ところが、この期…

「ホトトギス」と浅井忠の門下太平洋画会の洋画家

この洋画風コマ絵の挿入で、新鮮な魅力を放ったのが、『ホトトギス』の対抗誌『明星』であるが、竹久夢二なども、このコマ絵全盛期の新気運にのって、専門コマ絵画家として人気を手中にしたのである。 コマ絵に触発された洋画趣味は、これに続いて、35、6年…

コマ絵の誕生と洋画家の参入

「江戸末期の読本草紙類の画文あい半ばする浮世絵師と戯作者の共働は、明治に入って活版印刷の登場と共に、文主画従と比重の変化はあったけれど、暫く変らず、20年前後から日本画家も小説挿絵に用いられるようになったが、こうした挿入絵画は、旧幕以来、板…