2010-09-24から1日間の記事一覧

4月に実践女子学園生涯学習センターで90分3回講演をした「美しい本の話─装丁、さし絵、製本─」が、また11月の毎水曜日、10日、17日、24日(いずれも15:00~16:00)に開催されることになった。講演内容は前回とは違う内容でお願いします、といわれ、 13:45CommentsAdd Star

・装丁のパイオニア杉浦非水とアール・ヌーボー ・洋画家たちが美しいさし絵を運んできた ・安さだけではない美しさも備えた円本全集 の3つのテーマで講演することになった。 毎回たくさんの本と映像を使って、マニアックで楽しい講演にしたいと思っておりま…

事務所にある本を毎週100冊ずつリサイクルに出そうと決め、今週で3回目になる。ほぼ私の身長3人分が処分されることになる。そのせいか、玄関口まで押し寄せていた書物の圧迫感はなくなり、どことなく部屋全体が広くなってきたようにも感じるようになってきた。ここに引っ越してきてからそろそろ35年にもなる。溜まりに溜まった資料は、未練を捨てるにも時間がかかる。

資料の処分は、苦痛も伴うが、たまには楽しみもある。今日は、いつ購入したのかさえも覚えていない、写真左:「ユリイカ」(書肆ユリイカ、1958〈昭和33〉年4月号)、写真右:「ユリイカ」(書肆ユリイカ、1959〈昭和34〉年4月号)が出て来た。 表紙のデザイ…

1902年に(明治35)年大阪に三和印刷所が設立され、杉浦非水は黒田清輝の推薦で図案部主任に採用される。翌1903年大阪で開催されることになった大阪第5回内国勧業博覧会に向けて雑誌「三十六」が刊行され、非水は表紙デザインを担当することになる。

杉浦非水;装丁、「三十六年」1号(明治35年) アール・ヌーボー風にアレンジしたカキツバタの連続模様と、欧風建造物の博覧会会場正門を赤のシルエットを組み合わせてあしらった図案は、斬新で欧風主義の時代の気風にも相まって評判が高かった。 杉浦非水;…

非水は中央新聞社に6年間在籍し、「中央新聞週報ホーム」や連載記事をまとめて出版した「富士山スケッチ」、雑誌の表紙や口絵、装丁デザイン等を広く手がけていた。その他、写真報道のない時代であったので、事件や相撲などの報道用スケッチを沢山描いている。

杉浦非水:画、『富士山スケッチ』(金尾文淵堂、明治41年) 杉浦非水:画、『富士山スケッチ』(金尾文淵堂、明治41年) 杉浦非水:画、『富士山スケッチ』(金尾文淵堂、明治41年) 杉浦非水:画、『富士山スケッチ』(金尾文淵堂、明治41年) 富士山の八…