2010-03-17から1日間の記事一覧

「自由美学」の展覧会

「1894年2月、ベルギーの首都ブリュッセルにおいて、『自由美学』と題する大がかりな展覧会が開催された。これは10年ほど前から、オクターヴ・モースを中心に集まっていたベルギーの前衛画家グループ『二十人組』が新たに再編成され、再び出発する新しい門出…

歴史の盲点

「198世紀の歴史は、新古典主義からロマン派、写実主義を経て、印象主義にいたるまで比較的連続した一つの流れを形成している。フォービズムに始まる20世紀美術史はさらにそうである。だが、ここでよく注意していただきたい。モネや、ピサロや、ルノワールが…

高階秀爾

S.T.マドセン

S.T.マドセン『アール・ヌーヴォー』(平凡社、昭和45年) 「アール・ヌーヴォーの主だった装飾的特徴は、先端が鞭のようにしなって力強い動感を示す左右非対称の波打つような線である。このような線は、たとえばスコットランドにおけるそれ(図-2.1)のよう…

マリオ・アマヤ 

「アール・ヌーヴォーは様式としても運動としても、デザインの歴史の上で最も想像力に富んだ革新の一つである。その全盛期から半世紀経ってもなお、その創意のファンタジーは、二十世紀なかばの機能主義への予言、また完全に秩序ある新しい社会に、あらゆる…

日本におけるアール・ヌーボーの受容について、『みだれ髪」を例に調べてきたが、そもそもアール・ヌーヴォーってなんだろう? 19世紀から20世紀初頭にかけて国際的に開花した芸術運動〈アール・ヌーヴォー〉は、〈ユーゲントシュテイル〉〈モダーン・スタイル〉などともよばれ、「頽廃(デカダンス)」「悪趣味」の代名詞のように言われていたが、実は古い殻を打破し新しい芸術創造を目指した玉石混交の美の饗宴でもあった。ヨーロッパ全土は勿論のことアメリカや日本にも大きな影響を与え、ジャンルも建築、工芸、彫刻、デザイン、絵画、ファ

マックマード「センチュリー・ギルドの雑誌『木馬』のためのデザイン、1884年