2009-06-09から1日間の記事一覧

絵画専門の画家ではなかったが、その技術は当時の洋画を志望する青年たちを魅了するには充分だった。高橋由一、五姓田義松、二世五姓田芳柳、山本芳翠らが、教えを受けた。小林清親、下岡蓮杖、高橋源吉、田村宗立、渡辺幽香などもワーグマンについて教えを受けている。

ワーグマンは、横浜に定住し、日本人・小沢カネを娶り、一子をもうける。画報記者としての本業のかたわら、外国人旅行制限がなくなると、地方に足を伸ばし多くのスケッチを残す。「下仁田風景」(1870年)は、そんな時期に描かれたのであろう。 (明治3(187…

この頃描いた水彩画が、日本で最初に描かれた水彩画ということになる。

ワーグマンは当日の体験を「IRN」に 「玄関を騒々しく繰り返し叩く音に目が覚めた。どこかに火事があるか、あるいはちょっとした喧嘩程度だろうと思っていたため、はじめはその騒音を気にとめなかったが、しばらくすると、戸を叩く音は、マスケット銃の発射…

「イラストレーテッド・ロンドン・ニューズ」の画報記者ワーグマンは長崎からの長旅を終えて、7月4日、当時イギリス仮公使館となっていた品川の東禅寺到着。翌5日夜半、水戸浪士による東禅寺襲撃事件を床下に避難し腹ばいになって隠れて目の当たりに目撃し、動乱期の日本の状況を本国に描き送った。

どちらもワーグマンによる「東禅寺浪士乱入の図」だが、何点か「東禅寺浪士乱入の図」を描いたのだろう。よく似た絵だが、よく見ると全く別の絵である。 ワーグマン画「東禅寺浪士乱入の図」1961〈文久1〉年) ワーグマン画「東禅寺浪士乱入の図」(1961〈文…