2008-09-09から1日間の記事一覧

同じように見える挿絵だが、使うサイズによって新たに描き直している

『大菩薩峠』には、井川洗崖、石井鶴三、金森観陽、中村岳陵、伊東深水、硲伊之助、矢野橋村など多くの挿絵家が関わっているが、『決定版 大菩薩峠』(角川文庫、昭和30年)には、野口昂明が描いた『大菩薩峠絵本 第一』の挿絵が流用されている……と思ったが…

井川洗崖が描いた第一回目の挿絵の定紋に誤りが……

将棋の駒が紋になっている 新聞小説の挿絵は可なり忙しく時間に追われて描くようで、この井川洗崖が描いた挿絵の定紋には間違いがあり、訂正する余裕がなかったのか、最終行に「本日挿絵『放れ駒』の定紋は走り馬なるべき誤りなり」との訂正文がある。「将棋…

山梨県立文学館で2003年に開催された〈中里介山「大菩薩峠」の世界〉展の図録を購入。大菩薩峠の関係資料を続けて何点も入手する事が出来た。此の図録はさすがに大菩薩峠のゆかりの地にある文学館の展覧会だけあって、かなり充実した展示だっただろう事が、この図録の充実度からうかがう事が出来る。企画展編集委員も紅野敏郎、健介親子と、元早稲田大学教授・竹盛天雄、櫻沢一郎と豪華メンバーだ。

「中里介山『大菩薩峠』の世界」(山梨県立文学館、2003年) 挿絵:井川洗崖、「大菩薩峠」第1回(都新聞、1913、大正2年) 嬉しい事に、新聞連載の第1回が記載されていた。この挿絵の版木も記載されているのがすごい。あるところにはあるもんですね。第1回…