【ふわふわと風になびく黄色の小さな花の集合体ミモザの花!】…市内の植物探索(35)

【ふわふわと風になびく黄色の小さな花の集合体ミモザの花!】…市内の植物探索(35)
 ミモザはオーストラリア原産の、マメ科アカシア属の植物です。なぜアカシアをミモザと呼ぶようになったのか。実はアカシアの葉はマメ科ネムノキ亜科のオジギソウ(学名:ミモザ[Mimosa])に似ており、アカシアがヨーロッパへ持ち込まれた時人々は、南半球から先にヨーロッパに上陸していた「オジギソウ=ミモザ」に似ているアカシアを「ミモザアカシア」と呼び、そこからアカシアをミモザと呼ぶことが広まったとされています。今やミモザという呼称の方が学名のアカシアよりもポピュラーになりました。
 生長すると樹高は5〜10mほどにも伸び、3〜4月の春先には小さく黄色い花を咲かせ、西東京市内でもいたるところで目にすることができます。ミモザの花には花弁がなく、代わりに多数の雄しべがあります。この小さな花が密集して咲く特徴的な形態が、ミモザの花の独特な雰囲気を醸し出しています。
  国内の生花店で購入することができるミモザの品種は、主に「銀葉(ギンヨウ)アカシア」や「真珠葉(シンジュバ)アカシア」です。国内では銀葉アカシアの出荷量が最も多く、ギザギザとした細かい葉を持ち、低木の品種です。
 黄色いミモザ花言葉は「密かな愛」「秘密の恋」「真実の愛」です。男性が女性に思いを伝える際にミモザを贈る習慣があったことが由来と言われています。
 
 
西東京市保谷町6丁目で2024.3.18に撮影したミモザの花

 
西東京市保谷町5丁目で2023.3.15に撮影

 
西東京市保谷町6丁目で2024.3.18に撮影

 
西東京市泉町2丁目で2024.3.18に撮影

【濃い緑の葉に隠れてあまり花は目立ちませんが、よく見ると淡い若草色のかわいいシキミの花!】…市内の植物探索(34)

【濃い緑の葉に隠れてあまり花は目立ちませんが、よく見ると淡い若草色のかわいいシキミの花!】…市内の植物探索(34)
  樒(しきみ・しきび)はマツブサ科シキミ属の常緑小高木で、高さはふつう 2 〜5 mだが、ときには 10 m 以上の高木になります。一年を通して、光沢のある美しい濃緑色の葉を茂らせ、傷つけると抹香の匂いがします。
 花期は3〜 5月、春彼岸のころに、葉腋から短い花柄を出して、直径2.5~3cmの萼と花弁が10~20枚の黄緑色を帯びた白色の花が咲き、ときに枝先にまとまってつきます。
 名前の由来は、四季を通じて常に美しい緑色の葉を保つことから「四季美」と称され、それが転じて「しきみ・しきび」と呼ばれるようになったという説が有力ですが、毒を持つことから「悪しき実(あしきみ)」、また、強い香りを持つことから「臭き実(くしきみ)」と呼ばれ、それが省略されて「しきみ」となったとの説もあります。
  葉や樹皮は、お線香や抹香(まっこう、お焼香で用いられる粉末状のお香)の原料としても利用されています。その香りの強さから、「香の花(こうのはな)」「香の木(こうのき)」「香芝(こうしば)」と呼ばれることもあります。
 花言葉は「猛毒」「甘い誘惑」「援助」であり、花言葉の通り、樒の葉・花・果実・種子など全ての部分に「アニサチン」という猛毒が含まれています。特に猛毒である果実が中華料理で多用される八角に似ているため、誤食されやすい危険な有毒植物で、「毒物及び劇物取締法」により植物で唯一「劇物」に指定されています。
 
西東京市保谷町3丁目で2024.3.28に撮影したシキミの花

 
西東京市保谷町3丁目で2024.3.19に撮影

 
西東京市泉町5丁目で2024.3.19に撮影

 
西東京市保谷町5丁目で2024.3.19に撮影

【ハクモクレンとコブシの花は、よく似ていて見分けがつきにくい!】…市内の植物探索(33)

ハクモクレンとコブシの花は、よく似ていて見分けがつきにくい!】…市内の植物探索(33)
 ハクモクレン(白木蓮)は、3月~4月に葉が展開する前に枝先に空に向かって白い美しい大輪の花を咲かせる春の花です。ハクモクレンとコブシは見た目がよく似ていますが、一番簡単な見分け方は、花びらの枚数です。コブシは6枚であるのに対してハクモクレンは9枚で、コブシよりも花が一回り大きいです。9枚に見える花弁は、実は6枚の花弁と3枚の萼片(がくへん)なんです。花はみな同じように上向きに閉じたような形で咲き、全開しません。これも全開させ、あちこち向いてさくコブシと違うところです。
 樹高は10~15mくらいですが、大きなものは高さ 25 m、胸高直径 1 m になり、見上げるような高さの位置で大きな白い花を開花させ、その大輪の花は遠くからでも目を引きます。
  和名のハクモクレンは、ハス(蓮)に似た花を咲かせる木の意味で「木蓮」で、花色が白いので「白木蓮(はくもくれん)」と名付けられました。別名ハクレン、ハクレンゲとも呼ばれている中国原産のモクレン科の落葉高木で、街路樹、公園、庭園、寺院、庭木など身近な場所にも植栽されています。太陽の光を受けた花びらは南側がふくらむため、花先は北側を指し、「つぼみ」の頃は片方にそり返っていることから、「磁石の木」と呼ばれることもあります。
 
西東京市泉町3丁目で2024.3.19に撮影した白木蓮の花

 
西東京市保谷町5丁目で2024.3.16に撮影

 
西東京市泉町3丁目で2024.3.16に撮影

 
西東京市保谷町6丁目で2024.3.16に撮影

【子供の頃、山で食べたすっぱい「シドミ」と花も実もよく似ているが、ボケとは別物のようです‼︎】…市内の植物探索(32)

【子供の頃、山で食べたすっぱい「シドミ」と花も実もよく似ているが、別物のようです‼︎】…市内の植物探索(32)
 この時期に最も目立つ花で、散歩をしていても、あちこちの垣根や塀の隙間から真っ赤な花が顔を出しているのを見受けます。一つの枝にびっしりとたくさんの花をつけるのを見ると、気持ちが豊かになるような気にさせられます。
 ボケ(木瓜、学名: Chaenomeles speciosa)は、バラ科ボケ属の落葉低木。日本に自生するボケは、クサボケといわれる同属の植物。
 原産地は中国大陸で、日本へは古く平安時代に渡来し、観賞用に栽培された帰化植物です。大正時代に、新潟県新潟市と埼玉県川口市を中心としたボケのブームが起こり、園芸品種が作出され、庭木や盆栽、生け垣、切り花などとして鑑賞されるようになったのだそうです。
 花は3 - 4月に葉が芽吹くよりも先に、ふっくらした朱色の5弁花を咲かせます。短枝の脇に径2.5 - 3.5 cmの花が数個つきます。様々な品種があり、花色は淡紅、緋紅、白と紅の斑、白などがあり、雄性花と雌性花があります。
  名称は、果実が瓜に似ており、木になる瓜で「木瓜もっけ)」とよばれたものが次第に「もけ」→「ぼけ」に転訛(てんか)したと言われていますが、「木瓜(ぼっくわ)」から「ぼけ」に転訛したとの説もあります。
 秋に結実する果実は楕円形で、直径は約3 - 10 cmほどになり、7 - 8月ごろに熟します。香りのよい果実を使って果実酒やジャムをつくることができます。
 
西東京市保谷町3丁目で2024.3.19に撮影したボケの花

 
 
西東京市泉町3丁目で2024.3.19に撮影

 
西東京市北原町1丁目で2024.3.19に撮影

 
 
西東京市泉町2丁目で2024.3.19に撮影

 

 

西東京市保谷町5丁目で2024.3.19に撮影したボケの花

【花名はよく耳にしましたが、初めて花を見たのは数年前でした‼︎】…市内の植物探索(31)

【花名はよく耳にしましたが、初めて花を見たのは数年前でした‼︎】…市内の植物探索(31)
 訳あって2週間も家にこもり、ひさしぶりに散歩に出かけたら、以前の風景とは全く変わって、あちこちに春を知らせる花が満開になっていました。サンシュユもその一つです。
 サンシュユは樹高5~15m位になり、葉が開くより先に開花するため、株全体が鮮やかな黄色に包まる早春を代表する花木のひとつです。花は黄色い小花が30個ほど集まり、直径2~3cmほどの小さな花房(散形花序)をつくって開花します。各花には4本の雄しべがあり、これらが花序の輪郭をぼかし、花序全体が輝いているように見えます。
日本へ渡来したのは享保7年(1722年)のことで、享保の改革の一環として薬用目的に中国から輸入され、小石川御薬園(現小石川植物園)に植栽されたものが後に広まりまた。東京の小石川植物園には、渡来当時の株と、思われるものがまだ健在で、花を咲かせているそうです。
 「さんしゅゆ」は中国名「山茱萸」の音読み。”茱萸”はグミのことで、秋にはグミのような実がなり、赤く熟し、食べられるようです。鮮やかな黄色の花が咲くことから、「春黄金花(はるこがねばな)」の異名を持っています。
中国では古来、サンシュユの実を一日に2~3個ずつ食べれば、不老や強壮の効果があるとされています。
 
西東京市保谷町5丁目で2024.3.16に撮影したサンシュユの木の花

 
西東京市保谷町5丁目で2024.3.16に撮影

 
 
西東京市保谷1丁目で2023.2.17に撮影

西東京市緑町3丁目で2023.3.5に撮影

 
 
西東京市保谷1丁目で2023.2.17に撮影

【地べたを這うように葉を広げるので目立たないヒマラヤユキノシタ‼︎】…市内の植物探索(30)

【地べたを這うように葉を広げるので目立たないヒマラヤユキノシタ‼︎】…市内の植物探索(30)
 ヒマラヤユキノシタ(別名:ベルゲニア)はユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の多年草ヒマラヤ山脈周辺(アフガニスタンから中国にかけて)原産の多年草植物です。明治時代に日本に渡来しました。
 寒さの残る3月〜4月頃に、葉の間から褐色のひょろりと柔らかそうな花茎を伸ばし先端に集散花序をつけ、グループに分かれたピンクや赤、白色の可憐な小花をを数個ずつまとめて咲かせます。革質で厚みのある楕円形の大きな葉を地面に張りつくように広げ、どっしりとした安定感があります。
 別名の「大岩団扇(オオイワウチワ)」はこの大きく肉厚な楕円形の葉が団扇のように見えることや、岩場に生えることから名付けられました。「エレファンツ・イヤー」も葉がゾウの耳に見えることから連想してつけられたそうです。
 花言葉の「忍耐」「秘めた感情」は、ヒマラヤユキノシタが雪が積もっても枯れることなく育ち、早春にピンクや白などの可憐な花を咲かせることからつけられました。
 
 西東京市保谷町5丁目で2023.3.23に撮影したヒマラヤユキノシタ

 
西東京市北原町1丁目で2024.2.24に撮影

 
 
西東京市保谷1丁目で2023.3.26に撮影

【写真を見ただけで、ほろ苦さを思い出すフキノトウ‼︎】…市内の植物探索(29)

【写真を見ただけで、ほろ苦さを思い出すフキノトウ‼︎】…市内の植物探索(29)
 2月はあまり出かけることがなかったので、フキノトウを見逃したかな、と思っていましたが、ひな祭りの日に、保谷町5丁目の道端で今年初めてのフキノトウを見つけました。
 ふきは日本原産の野菜で古来から栽培されていた野菜です。北海道、本州、四国、九州及び沖縄県に分布し、北は樺太朝鮮半島や中国でも見られます。和名フキの語源については諸説あり詳細ははっきりしていませんが、冬に黄花を咲かせるため「冬黄(ふゆき)」の中略とする説もあります。平安時代にはすでに栽培が始められたようで、豊臣秀吉が栽培を推進させ、盛んになったといわれています。
 雪解けを待たず、葉が地表に出ないうちに、地下茎から大きな苞をつけた花茎(花穂)が伸び出し、これを「蕗の薹」(フキノトウ)と呼んでいます。
 ほろ苦い風味が特徴の春の訪れを感じさせる、さわやかな苦み野菜を食べることで、冬の間に溜め込んだ脂肪や老廃物を排出するデトックス効果があると言われています。
  そのまま天ぷらや、重曹を入れた熱湯で軽く茹でて水にさらしアク抜きしてから煮物、和え物、味噌汁、油炒め、ふきのとう味噌などのほか、甘酢和え、粕漬け、味噌漬けにして食べます。一般的には蕾がしっかり締まっているものがよく、花が咲いた状態はかたく、灰汁が強いため食べることは避けられています。
 フキノトウの灰汁にはフキノトキシンとよばれる発がん性物質が含まれているといわれ、多食や常食は避けるべきという意見もあります。
 
西東京市保谷町5丁目で2024.3.3に撮影したフキノトウ

 
西東京市田無町1丁目で2023.2.15に撮影

 
西東京市泉町2丁目で2023.3.7に撮影

 
西東京市泉町3丁目で2023.2.26に撮影