人工物に風化という力が加われば超芸術になる!

【なんだこれ!】「散歩するのにカメラがあると、物を見る好奇心に灯がともる…歩く距離が自然と伸びる」(赤瀬川原平)。まさに、その通りで、カメラは麻薬だ。普段は何気なく見過ごしている風景でも、カメラを持つと急に面白いモチーフに見えてくるから不思議だ。そうなるとカメラを持たないで出歩くのが不安になる。今日の発見は「無用の門(扉)」といわれるトマソン現象だ。世の中のごまんとある芸術作品もそのほとんどは本人が亡くなると同時にゴミになってしまう運命で、その意味ではこの古びて使い物にならない門と同じではないか? 人の手によって作られたものに風化という自然の力が加わって、もうこれは自然に融合した超芸術というしかない。



ドアにはガス管が通されており、開閉はむずかしく、扉としての機能を失っている。



扉の中は原っぱが駐車場になっており、出入りが自由なので、この門で締め出す意味がない。



ドアの内側には、ノブの辺りまで土が盛られていた。



門の内側に物置小屋が建てられ、この門は開くことはなくなった。