装丁用布や紙がだんだん少なくなってくる

2012年に刊行された『市井展の全貌』続編の制作の様子を6月26日ブログにアップしたが、2年前に使った資材と同じで、色違いを指定したのだが、布屋さんががなくなってしまったので別の布を選んで欲しいとの連絡が入った。函に貼るハイチェック・クリームという紙も廃止になってしまったので変えて欲しいと。
 シリーズ物の装丁資材が途中で無くなってしまうのは、デザイナーの力では如何ともし難く、紫色の紬という布を別の布屋さん八光装幀社の布見本から選び、貼り題簽も深緑色に変えた。
 本の発行点数が減るとまずは周辺の業界が影響を受ける。特に貼り函入りで、表紙に布や革をつかった豪華な本の出版点数は激減していると思われ、装丁用の布が手に入りにくくなったり、表紙や函に布を貼る職人さんがいなくなってしまったり、金箔押し、糸かがり製本など、手間のかかる制作工程も製作者がいなくなって、豪華な本は作れなくなってしまうのではないかと危惧している。