朝ドラ「花子とアン」で「ニジイロ」という雑誌の創刊号が刊行された。その雑誌の表4（裏表紙）広告に「プラト……」という文字がチラッと見えたのが、これはもしかしてプラトン万年筆ではないかと思い調べてみた。
中山太陽堂は明治36年に中山太一が神戸市で個人商店として創業。明治39年に自社製造第一号商品「クラブ洗粉」を発売し、製造業に転身、歯磨き粉「クラブ歯磨」なども発売。中山太一の弟・豊三は大正8年に日本文具製造株式会社（後、プラトン文具株式会社）を設立、「プラトン」ブランドのインクや万年筆を製造発売。
朝ドラでは、漣子が東大の学生に頼まれて脚本を書いているが、歴史的には大正8年、戯曲『指鬘外道』（しまんげどう）を雑誌『解放』に発表しているのを元にしていると思われる。ということで、時期的には「ニジイロ」の発行時期と「プラトン万年筆」は一致するので、「ニジイロ」に掲載された広告は「プラトン万年筆」ではないかと推察する。
『赤い鳥』第13巻4号（赤い鳥社、大正13年）本文中に掲載された「プラトン万年筆」広告。
『赤い鳥』第13巻4号（赤い鳥社、大正13年）表4に掲載された「クラブ練歯磨」広告。
