2011-08-26 これが通信教育で学んだだけの新人の挿絵かと思われるほどに、デッサン力は秀でている。しかし、挿絵としては魅力に欠ける。標準レンズのカメラで同じアングル(目の高さ)で、人物が全身映るように撮影した素人写真のようで、画面構成は単純で人物の表情にも工夫がなく、読者を引き込むだけの力がない。 これまでデビュー作と思われていた江戸川乱歩『怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』光文社、昭和22年)と比較してみると『怪人…』の方が、わずかに上達しているように見えるので、『新島襄』のほうが若いときに描いたものと推察される。