内容との距離感が差をつける

 
 そんな気負いが、内容をより忠実に表現しようとしてしまったのだろう。内容への密着度が高いだけ、創作面での斬新さがやや弱く説明的な感じがする。その点、村山の装丁は、内容とは少し距離を置いて、自分寄りの表現にまで引きづり込み、斬新で魅力あふれる作品にまで高めてる。個人的な諸見も多少ははたらいているかもしれないが、この2作品で比較する限りでは、村山の作品に軍配を上げたい。