2005-10-04から1日間の記事一覧

内容との距離感が差をつける

そんな気負いが、内容をより忠実に表現しようとしてしまったのだろう。内容への密着度が高いだけ、創作面での斬新さがやや弱く説明的な感じがする。その点、村山の装丁は、内容とは少し距離を置いて、自分寄りの表現にまで引きづり込み、斬新で魅力あふれる…

珍しい同じタイトルでの競作

写真右は、村山知義が装丁した同じタイトルの本、藤森成吉『何が彼女をそうさせたか?』(改造社、昭和2年初版)である。同じタイトル本を複数の装丁家が担当するのは、比較的珍しいことだ。制作期間も3年しか離れていないので、正に同時期の競作といえる。…

村山知義と柳瀬正夢が競作

最近、柳瀬正夢装丁、藤森成吉『普及版何が彼女をそうさせたか?』(改造社、昭和5年4月40版)写真左を、岩手県の沙羅書房から購入した。経年変化はあるものの、並製本にしてはかなり丁寧に保存してあったのだろう、きれいな本だ。 この本の存在は全く知らな…