意外にまとも、げて本中のげて本

shinju-oonuki2005-07-26


齋藤昌三『げて雑誌の話』(青園荘、昭和19年)は、装丁も内容も「げて本」だ。限定百部の非売品であり、なかなか手に入らない貴重な本だ。こんな本を探し出してくれたのは、毎度登場する「玉晴」の店主堀口さんだ。造本は、内藤正勝。表紙の貼り題簽にはアルミ板が使われており、銅版画の版のように凹版になっている。
 
見返しは、キャンバスのような目の粗い布が使われており、いかにも齋藤らしく、内容に相応しい素材を「げて本」の典型だ。本文中には、おなじみのあの「マヴォ」も「ゲテ中のゲテ誌……三號が爆發物取締法で発禁になり廃刊になった。」として紹介されている。