2010-12-03から1日間の記事一覧

やっと見つけた。第十六回春陽展の出品作の話が、匠秀夫「宮本武蔵」昭和十三年から十五年の仕事(『日本の近代美術と文学』沖積社、昭和62年)に下記のように掲載されていた。

昭和十三年から十五年は鶴三、五十二歳から五十四歳である。……「宮本武蔵」の挿絵に移る。これは十年八月からの全編に引き続くもので(前編の挿絵は矢野橋村)、おりからの日中戦争さなかのこととて、忍苦こそが人生の価値とする克己主義の哲学を物語にし、…

春陽会「挿絵室」を立ち上げる事になった中心人物でもある石井鶴三が、「挿絵室」について書いている文章が出て来たので、転用させてもらおう。「挿絵室」を油絵などを飾っている上野のお山の展覧会に飾ろうとした真意が分かるものと思う。

挿絵及び挿絵室に就いて 石井鶴三(「春陽会雑報」昭和三年第二号) 春陽会では昨年から挿絵室を設けました。展覧会に挿絵室というのが特に設けられたのは、この会がはじめかと思います。 挿絵というのは、本来は、新聞雑誌とかその他の書物に挿まれる絵とい…