2010-06-16から1日間の記事一覧

清水三重三が文中で「六興出版の挿絵全集の付録誌で、石坂洋次郎氏が挿画家の立場に同情ある一文を寄せて居られる。……感激した。」と書いている付録誌「現代名作名画全集」(六興出版社、昭和29年)月報第一号を見つけたので、これも、一部読みやすいように現代文に変更して全文掲載してみよう。

石坂洋次郎「挿絵と作家と」(「現代名作名画全集」月報第一号、六興出版社、昭和29年) 石坂洋次郎「挿絵と作家と」 「 多数の読者を対象とする雑誌や新聞に掲載される小説には、たいてい挿絵が入っているが、こういう場合の挿絵は、刺身に添えたワサビ以上…

良い挿絵を求めるには

良い絵、悪るい絵、上手、下手、時間を掛ける絵、早くできる絵、これ等への報酬が、開きはあろうが、ホンの僅かの差の、ミソもクソも一緒くたの均一扱い、骨折る奴はバカみたいになり、これが良心的な仕事を阻むこと尠なからず、とおもいます。 そんなことに…

清水三重三が「さしゑ」創刊号に「挿美会のことなど」と題して、挿絵論等に交えて、当時の挿絵画家を取り巻く様々な環境似ついて書いているので、テキストに起してみよう。

清水三重三「挿美会のことなど」(「さしゑ」創刊号、昭和30年) 「挿絵を画く新進が集って「挿美会」を結成し、良き挿絵を作る目的にて、相互の親睦、研究、啓発に資するという。誠に羨ましい事です。更に、挿絵と挿画家の位置を、新しく世衆に認識させよう…