2009-10-15から1日間の記事一覧

ドクダミを描いた高雅な装丁の木下杢太郎『雪櫚集』(書物展望社、昭和9年)は自著に木版画を用いた唯一の本だ。

木下杢太郎『雪櫚集』(書物展望社、昭和9年) 「仙台にゐた時は閑が多く、しばしば庭の野草木を写生した。そこに越してくると、想ひがけぬ木の芽、花の蕾が時々に姿を現はし目を喜ばした。昭和九年の拙書『雪櫚集』は半ば其庭の写生文を集めたものであり、…

北原白秋『きょろろ鴬』(書物展望社、昭和10年)、二十数度手摺り木版表紙の木下杢太郎『雪櫚集』(書物展望社、昭和9年)は装丁史に残る大傑作といってもよい見事な装丁だ。資材ヘのこだわりではなく装画に頼った本は昌三の好みではなかったのかも知れないが、書物展望社の本には装画を使った美しい本がたくさんある。

白山春邦:装丁、北原白秋『きょろろ鴬』(書物展望社、昭和10年)、製本:中村重義 白山春邦:画、北原白秋『きょろろ鴬』(書物展望社、昭和10年)口絵 白山春邦:画、北原白秋『きょろろ鴬』(書物展望社、昭和10年)扉絵 北原白秋「巻末に」には、 「装…