2008-03-26から1日間の記事一覧

落款にも画風や心理状態がでるもので、絵がよくなると落款にも自信がみなぎってくる

玉村が最初に描いたのが、下記の「おとこをつくりて」の挿し絵だ。どことなくぎこちなく緊張しているように感じられる。落款も小さな文字でなんと書いてあるのか判読ができない。この自信なさそうで弱々しい落款をよく覚えておいてください。 脱線:あの大リ…

河上英一「空襲下の吉野村定期便」(「真書太閤記付録」読売新聞社、昭和40年5月10日)より

「昭和19年10月から翌年の3月末に招集されるまで、「新書太閤記」の原稿とりが私に課せられた仕事であった。私はもともと芸能一般の担当記者であったが、戦争もはげしくなって映画は制作3社で月産2本程度となり、大劇場も閉鎖されたし、また文化部に在籍する…

吉川英治『真書太閤記』月報より

昨日に続き、月報からの引用です。 「新書太閤記」の新聞連載原稿とりに、そして挿繪の依頼に奥多摩の二俣尾駅近くにあった吉川邸へ、挿絵画家・玉村邸のある中野へと走り回った記者・河村英一の思い出話が書かれている文章を月報から引用させてもらおう。 …