2005-08-04から1日間の記事一覧

一体どこが悪くて批判されているのか?

批判文をいくつか転載してみよう。寿岳文章『書物の共和国』(春秋社、昭和61年)には「装幀への関心がありながら、装幀の本質を全然わきまえていない最近の例として、私は谷崎潤一郎氏の『春琴抄』を取る。新聞に出た版元の広告によると、谷崎氏は『本書の…

もちろん添い寝本

事務所に1冊、書斎に1冊、リビングに1冊と行く先々で眺められるようにしている。架蔵書の美本ランキングではもちろん最高位の添い寝本である。ちなみに美本ランキングとは、「胸きゅん本」「頬すり本」「添い寝本」の三段階でである。谷崎にとってももちろん…

ゲテ本というには美し過ぎる

三大ゲテ裝本の残り一冊、谷崎潤一郎『春琴抄』(創元社、昭和8年)も見てみよう。私は大好きな造本だと思っているが、なぜか、昔から批判されることが多いのは本当に残念なことだと思っている。漆塗り蒔絵風の表紙は、格調高く品があって、ゲテ本だから話の…