クローン文化財ってなんだ!

【素心伝心…クローン文化財 失われた刻の再生】(於:東京芸術大学)を見てきました。
 「文化財は古くより〈保存〉と〈公開〉の両立が求められるという矛盾を抱えています。劣化する文化財の保存には非公開が最良の選択ですが、公開されないと価値が共有されず本来の存在意義が損なわれてしまいます。この問題を解決すべく、東京芸術大学では、芸術と科学技術の融合による高精度な文化財複製『クローン文化財』の技術を開発しました。」(宮廻証明「クローン文化財とは」)より。



クローン複製技術で再現された法隆寺釈迦三尊像


クローン複製技術で再現された法隆寺釈迦三尊像


焼損した金堂壁画12面を復元したクローン法隆寺金堂壁画部分

 法隆寺釈迦三尊像(写真上、左下)、焼損した金堂壁画12面、天蓋の再現や、2001年に爆破されたバーミヤン東大仏天井壁画の再現、その他、流出後に第二次世界大戦の戦火で失われたキジル石窟航海者窟壁画再現、保存のため一般公開が困難な敦煌莫高窟第57窟再現などなど、たくさんのクローン文化財複製技術によって再現した美術品が所狭しと展示されていました。


2001年に爆破されたバーミヤン東大仏


復元されたバーミヤン東大仏天井壁画


復元されたバーミヤン東大仏天井壁画


 失われてしまった文化財や公開困難な文化財が、クローン文化財として蘇り、多くの人の目に触れることが可能になったことの意義は大きく、素晴らしい技術の開発に心からの賞賛の拍手を送りたい。