『ルリュールおじさん』に再三感動!

事務所に行った帰り道、新宿・ブックオフで、いせひでこルリュールおじさん』(理論社、2007年11月)を見付け、私も多少のルリュール(手製本・装丁のこと)の心得があり、興味を惹かれた立ち読みする。


この本を描くため、アルチザン(手職人)の「手仕事のひとつひとつをスケッチしたくて、パリにアパートを借り、何度も路地裏の工房に通った」という著者の執念に感動させれた。

いせひでこルリュールおじさん』(理論社、2007年11月)


少女が大切にしていた樹木の図鑑が壊れてしまい、ルリュールを職業とするルリュールおじさんに修復をお願いする。得意なアカシアの話を聞いてもらいたくて話しかける少女と、修復作業に集中して話に耳を貸さないおじさんの平行線の会話が楽しい。


革装の立派な本に生まれ変わった図鑑を手にした少女は感動して本を抱きしめる。書物という情報の容器の存在価値を電子書籍にはないものを感じて私も感動!



本の修復の代償は少女が種から育てたアカシアの鉢植えだった。その鉢を抱えたまま満足そうに居眠りしてしまうおじさんの、本を大切にする少女に向けた暖かい眼差しに再度感動!涙が溢れた。


僅か10分くらいの間に何度も感動をさせられたことに感謝して、この本は手元に置いて何度も読んでみたいと思い、つい購入してしまった。


著者のいせひでこさん、理論社には掲載許諾をいただいておりませんが、ちょっと紹介の画像が多すぎましたことをお許しいただきたい。