実際に標本から写したもののほか、オディロン・ルドンの作品の模写も含まれており、ルドンの影響を受けているもの、と云われている。ルドンは確かに蝶の絵をたくさん描いている。その中から1904年以前に描かれたものが、『みだれ髪』に影響を与えている。



ルドン:画、「蝶々」1901年



ルドン:画、「ポール・ゴーギャン」1903~05年



ルドン:画、「白い蝶」1910年




ルドン:画、「蝶」1910~12年


このようにルドンは蝶の絵をたくさん描いており、「白い蝶」などは構図にも類似性があるように思えるが、はたしてルドンの作品だけが藤島武二「蝶」に影響を与えたのだろうか。アルフォンス・ミュシャの絵にも『みだれ髪』表紙絵との共通点を見つけた。