もう1冊、動物の細密画集。岡崎立『岡崎立作品集 鳥百態』(山と渓谷社、1988年)もすごい描写力だ。これは図鑑ではなく生態画と呼ぶ画集であり、表現でもある、という。



岡崎立『岡崎立作品集 鳥百態』(山と渓谷社、1988年)



岡崎立『岡崎立作品集 鳥百態』(山と渓谷社、1988年)
このヤマセミ1枚を見ただけで、度肝を抜かれた人も多いのではないでしょうか。まるで生きているかのようで、そのうちに飛び立つのではないかとさえ思えてくる。チョットもったいないが、切り抜いて額装して飾ってもいいかもね。


岡崎立(おかざき りゅう 1950-2004)
愛知県豊橋市に生まれる。県立時習館高校を卒業後、岡山大学工学部を経て、美学校(東京)で細密画、木口木版、造本を、五日市スタジオで銅版画を学ぶ。
東京都青梅市に居をかまえ、主に野鳥をテーマとした作品を手がけ、渚画廊(1981銀座)を皮切りに、ストライプハウス美術館(87六本木)などの個展や、SPICA MUSEUM+ギャラリーcomo(2002青山)などの植物画家である妻の松岡真澄との合作による二人展を催す。主な著書に山と渓谷社の『鳥百態』(1988)『野鳥フィールド日記』(95)、松岡真澄との共著に小学館の『鳥暦花便』(91)等がある。没後2005年にギャラリー悠玄(銀座)で遺作展が行なわれた。(岡崎立 遺作展「とり声あつまりて」より転載)