『みだれ髪』の装丁の影響もみられる

 
「杉浦非水略年譜」(『杉浦非水写生帖』光村推古院、昭和53年)によれば実際に制作されたのは明治34年だったようだ。中澤弘光、杉浦朝武(つとむ)の二人の合作になる多色刷り石版画。アールヌーボー様式を取り入れた藤島武二の装丁で、与謝野晶子『みだれ髪」が刊行されるのは、明治34年8月であり、中澤、杉浦の二人が刺激を受けてカルタの制作に挑んだのだろうことは、この『みだれ髪』の表紙に使われたモチーフと類似のものが使われていることなどから、容易に推察する事ができる。