資材の「紙型」とはどんな紙?

 
『印刷事典』(日本印刷学会、昭和34年)には、「紙型 鉛版を鋳造するために、紙型用紙を使い、組版その他を原型とし圧搾乾燥してつくった紙製の鋳型。」とある。この紙型に使う紙は、「紙型用紙 はり合わせ、あるいはすき合わせて紙型に適するようにした紙。乾式と湿式の2種に分れ、乾式用紙(ドライマット)はじん(靱)皮繊維および上質の故紙・ノリ・テン料などを原料としてすき合わせたのちに表面加工を施す。湿式用紙(ウエットマット)はわが国ではガンピ紙・マサ(征)紙・ザラ紙などをノリではり合わせてつくる。」とあり、かなり良質の資材でもある。
 
組み上がった活字などを原型として、紙型用紙をかぶせ、強圧を加えて紙型をつくる。この紙型を平鉛版用または丸鉛版用の鋳造機に取り付け、鉛版地金を流し込んで鉛版を鋳造する。鉛版は、最も安価な凸版版面の複製法である。
 
再版に備えて保存するのは、この紙型を保存する。昔は版権を他社に譲渡する時はこの紙型を譲ったそうである。