あった方がいいに決まってる!

書物を本当に愛しているなら、このような本の出現に対して、どうして拍手を送れないのか不思議でたまらない。昭和初期の単行本年間発行点数が何点くらいだったのかはわからないが、仮に1万点くらいだったとしても、1万点の中に一冊くらいはこのような、イメージリーダー的に斬新なアイディアで作られた書物があってもいいのではないか、いや、あった方がいいに決まっている。
 
どの本も保守的で、良くもなく悪くもなく、従って装丁への批判もないような本ばかりになってしまったら、それこそ読書欲もなくなるのではないだろうか。ファッションショーでド派手なドレスが毎年のように披露されるが、そんなドレスをきて町中を歩いているヒトは余り見かけないのと同じで、装丁界にもファッションショーのようなド派手な装丁を競うブックデザインショーがむしろ必要なのである。それがあればまだまだ面白い装丁は生まれてくるはずだ。