いつもの自惚れだが、これがたまらなくいい!

 
当然といえば当然のことなのかも知れないが、限定本や豪華本には、このような自画自賛の文章が多い。第一書房長谷川巳之吉の文章も過大評価とも思われる自分の装丁を讃美する文章がたくさん残されている。「コレを見よ!」とばかりに自らの作品を社会に付き出して、評価を仰いでいるのだからこのくらいの誇示はあってもいい。自信のほどが窺われてむしろ気持いい。創作活動の基本は、先ず自惚れと自画自賛であり、自分で自分の作品をみとめられなければ発表する価値がない。他人が認めるかどうかなどは、二の次である。
 
書影は紙魚(しみ)喰い後がある、齋藤昌三、柳田泉編集『魯庵随筆 紙魚繁昌記』(書物展望社昭和7年)表紙。