『歌と評論』1934juin(歌と評論社、1934[昭和9]年)


これらの装丁をした頃は、
『海の童話 詩を伴ふ版画連作』 (版画荘 1934[昭和9]年)
『飛行官能』 (版画荘 1934[昭和9]年)



恩地孝四郎『飛行官能』 (版画荘 1934[昭和9]年)



恩地孝四郎『飛行官能』 (版画荘 1934[昭和9]年)



など、同時に自分の作品集を作り始めた頃でもあり、受注生産の装丁だけでは物足りなくなってきたのではないかと思われる時期でもある。だれにも口出しされず、自分で納得のいく作品を作るには自分の作品を自分のお金で作るしかない。

ブックデザイナーの団体が発行する『図書設計』72号(A4,16P)過激に発刊!非売品、無償配布開始。固い団体にとっては「ドッキリ」のアラーキーの悩殺写真を使った表紙が大評判で、ますます固くなってしまったという。リバーシブルという片面に色が着いている紙を使ったのも賛否両論、喧々囂々の話題になってます。



表紙の裏面がこの黄色のページになる。7ページの巻頭特集、滝沢恭司「舞台美術家・伊藤憙朔の装幀・挿絵本」も話題沸騰。伊藤憙朔を知っている人でも、装幀をしているのを知っている人は少ないのでは? そんな貴重な話が詰まった滝沢氏の渾身の原稿だ。




装丁:伊藤憙朔、藤森成吉『風雨帖』(改造社、1939年)


私も「イラストレーションはだれのもの」(2P)を執筆。石井鶴三と中里介山大菩薩峠』の著作権を巡る話を書きました。



もう1本、あの聖火リレーの前日、落書きがあった日に、長野市善光寺の隣まで取材に行ってきた「開きの良い製本」(1P)を書きました。「クータバインディング」とよばれる、新しい製本で、読む時に開いたままの状態が保たれ、「本を見ながらでも作業がしやすくなった」と話題の製本を突撃取材してきました。