装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
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装丁家・大貫伸樹の装丁挿絵探検隊
2012-03-28から1日間の記事一覧
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「李」「杢」「枩」「柰」などと同じようにこのサインももともとの漢字にありそうな村上松次郎のサイン。「松」の木偏とつくりを上下に並べ替えたもので、一度見たら忘れない。昭和16年「家の光」の目次にあった赤と青の2色刷りの絵だが、今では滅多に見られない2ミリほども版ずれした印刷物で、どこか懐かしい。
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初山滋や竹久夢二はたくさんの種類のサインを使う挿絵画家画として知られているが、この挿絵画家も難解なサインを連発する一人だ。このサインはなかなか読めない。細木原青起のサインだと分かっても、「何でこうなるの?」といいたくなる。
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東郷青児(1897-1978年)のサインは「青児」と書くのがよく知られているが、若い頃は「Si・iedi」と書いていた。『紫の恋』の装丁は青児24歳、7年間に及ぶフランス留学から帰朝した時の作品でピカソやマルク等の影響が見られる。私は、偉くなる前のこの頃の作品が好きだ。
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新関健之助の挿絵だがサインはなぜか「SEIKWA」とある。もしかして「にいぜき」ではなくて「せいかん」と読むのではないか、とか編集者が名前を間違って表記したのではないかなどといろいろと思いを巡らしてみた。なんてことはないペンネームが「青花(せいか)」だった。そうならそうで、紛らわしいことをしないで活字での表記も「青花」にして欲しい。一件落着ふ〜っ!
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