2011-07-18から1日間の記事一覧

付録「さしゑ』3号(平凡社、昭和10年)から名取春仙「私の純文藝挿畫時代回顧」を紹介させてもらおう。文末に引用された、「デモ画集」に掲載された森田草平の序文は興味深い。浮世絵系の挿絵画家を牽制しているのも面白い。

「明治四十一年、漱石(以下諸家の敬稱を省くことを許されたい)が、『朝日』入りをした。在來堂紙面の二つの通俗小説を一つ、純文藝作と代へるに就いて、一方浮世絵系の年英を前のまゝとして、別に新人を求める必要から、『大朝』に九甫、『東朝』に私が選…