2011-07-15から1日間の記事一覧

『名作挿画全集』第3巻付録「さしゑ」第3巻の巻頭に記載されている鏑木清方「月岡芳年先生を憶ふ」を転載させてもらおう。近代挿絵揺籃期ともいうべき明治期の挿絵の世界を垣間見ることができる貴重な資料といえる。

「大分昔のことなので、すべてが朧げになってしまったが、出来るだけ正しい記憶を辿って心覚えを綴って見よう。 月岡芳年が挿畫(さしえ)をはじめたのは明治初年のことで、たしか自由の燈(ともしび)と云ふ新聞にかいたのがそれである。明治十九年頃から廿…