2010-11-29から1日間の記事一覧

春陽会の芸術家達がなぜ、春陽展の会場に挿絵を展示したのか? さらには挿絵画家の団体「挿絵倶楽部」を起ち上げようとしたのか、木村荘八「時代のいろ」(『近代挿絵考』双雅房、昭和18年)にその答えが書かれていた。長文になるが以下に引用してみよう。(旧漢字は新漢字に変換した。)

挿絵は広く逸早く万人の眼に触れるものであるから、新体制影響は直接のものである。一つから言えば、新聞雑誌によらず挿絵とある以上は、それが或る小説なら小説の挿絵であると同時に、また昭和×年×月×日の新聞面に載っているその絵は、言わず語らずその×年×…