2010-09-14から1日間の記事一覧

偶然だが、11月10日(水)15;00〜16:00に開講される実践女子学園生涯学習センターでの講演テーマが、「装丁のパイオニア杉浦非水とアール・ヌーボー」を準備しているが、話の内容は、アール・ヌーボー様式をいち早く採り入れた「みだれ髪かるた」や、アールデコ様式を採り入れた『現代日本文学全集』そしてモボ・モガといわれたオシドリ夫婦の妻・「翠子の作品を飾った装丁」の話をしようと思っている。

杉浦非水:画、「みだれ髪かるた」(「明星」の口絵として1904(明治37)年に掲載) 杉浦非水:装丁、小酒井不木『三面座談』(京文社、大正14年) ヨーロッパ旅行から帰国して間もなく制作された装丁で、関東大震災前の作品にはないシャープで繊細で洗練さ…

4月に実践女子学園生涯学習センターで90分3回講演をした「美しい本の話─装丁、さし絵、製本─」が、また11月の毎水曜日、10日、17日、24日(いずれも15:00~16:00)に開催されることになった。講演内容は前回とは違う内容でお願いします、といわれ、

・装丁のパイオニア杉浦非水とアール・ヌーボー ・洋画家たちが美しいさし絵を運んできた ・安さだけではない美しさも備えた円本全集 の3つのテーマで講演することになった。 詳しい内容、お申し込みは http://www.syogai.jissen.ac.jp 0120-511-880へ。77講…

先日「美の巨人たち 日本のミュシャ…大正浪漫の色彩」と云うタイトルのテレビ番組があった。入門篇としては理解しやすく構成されていたと思うが、私の期待は見事に外れた。というのは、非水の本領発揮された作品は「みだれ髪かるた」やアールデコ様式を採り入れた『現代日本文学全集』、そして妻・翠子の作品を飾った装丁などにあると思っているからだ。その辺には全く触れられなかったのはちょっと残念でもあった。それだけ非水の活躍した世界が広かったということでもある。