2010-08-23から1日間の記事一覧

堂昌一はこの極端な矩形にあわせて描くことに興味を持ったのか、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」1977〈昭和52〉〜8(昭和53〉年)では、柱絵のように縦長の絵に挑戦して、浮世絵を思わせる妖艶な挿絵で見事に成功させ、51歳にしてこの新たな境地を切り開いている。

堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」1977〈昭和52〉〜8(昭和53〉) 堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」1977〜8年) 堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」1977〜8年) 堂昌一:画、多岐川恭「用心棒」(「週刊新潮」1977〜8年…

1974(昭和49)年2月に岩田専太郎が亡くなり、「小説サンデー毎日」に連載されていた山岡荘八「徳川家光」は、1974(昭和49)年5月号から堂昌一氏に引き継がれることになった。『徳川家光』が単行本として刊行され第一巻「三代の風の巻」には、挿絵家名が岩田専太郎、堂昌一と二人並んで記され、専太郎の絵が8点、堂昌一の絵が4点挿入されていた。

単行本は第4巻まで刊行され、回を追う毎に表現力が豊になり挿絵に切れがでて、完成度の高い絵に変わっていくのがわかる、48歳の堂昌一に新たな創作意欲の炎を灯させた作品群と言えるだろう。 堂昌一:画、山岡荘八『徳川家光』(毎日新聞社、1974〈昭和49〉…