2010-06-18から1日間の記事一覧

「さしゑ』創刊号には、沢山の賛助会員がいた。有志がお金を出し合って作ったにしては、カナリ手が込んでいて、多くの人から原稿を集めているが、稿料などをどうしていたのだろうかと心配していたが、やはりしっかりとスポンサーをつかんでいたのか。さすがに用意周到でぬかりがない。

「★賛助会員名簿★」「さしゑ』創刊号、昭和30年 「季刊誌『さしゑ』発刊に当たり、左記各社から賛助会員として絶大なる御援助をいただきましたことを誌上をかりて厚く御礼申し上げます。同人一同、深く責任を痛感すると共に、御期待に添うべく努力致すつもり…

またも転載で申し訳ないが、今回は濱野政雄さんの「眼で物を嗅ぐ」(「さしゑ」創刊号、昭和30年)「1 ある人が僕にこう云つた。『挿絵は小説を読んで、その場面を描けばいいのだから楽ですね。小説は創作だから大変ですよ』と。このくらい挿絵画家をバカにした話はあるまい。小説と云うものは、我々とすれば単に題材を提供してくれる丈のもので、それをどうひねくるかはその挿絵画家の問題なので、映画の一カットとは、わけが違うのである。

ここに二人の男女が、銀座あたりで逢ったとする。それを絵にする場合、上から見た方がいいか、横からのほうがいいか、夫れとも風景を主にして人物を小さく描くとか、絵としてのねらいをどこに持つていつて、余白をどの程度とつたらいいとか、コンポジション…