2010-06-17から1日間の記事一覧

同じ頁に記載されている、宮本幹也「挿絵という名画」も紹介しよう。挿絵の方が小説より勝る例を「挿絵」ならぬ「挿小説」として提示しているのが面白い。

宮本幹也「挿絵という名画」(「さしゑ」創刊号、昭和30年) 「自分の小説にはさもあればあれ、正直に言つて小説家は先ず小説を先に読むだろうと思う。ということは必ずしも小説が主で絵が従だと言うことにはならない。だが、率直に言つて、絵から先に見る程…

「さしゑ」創刊号(昭和30年)に「ベスト・テン──編集者をてこずらす作家と挿絵家── 但しクラブ雑誌界における十傑(回答五社)」という面白い記事が掲載されていたので再録してみよう。それぞれのトップは岩田専太郎と山手樹一郎だ。編集者を困らすわがままをいうのは、みずからが売れっ子であることを認めている証とも言える。つまり、人気作家と挿絵家のベスト・テンともいえるデータでもある。

この「さしゑ」を提供して頂いた濱野政雄さんは5位に選ばれている。昭和40年代には毎週7〜8紙誌の連載を抱えていたというから、その多忙ぶりからくる自意識もかなり過剰だったものと推察されるが、今度お会いしたときに、伺ってみよう。 只今好評発売中の日…