2009-06-10から1日間の記事一覧

木下杢太郎は「故小林清親翁の事」に「狩野風画師にして且つ初めて我国に写真術を伝へたる下岡蓮杖に就いて正式に写真術を習得した。英人ワグマンに就いて洋風油彩画を覚えたのは其後である。」(吉田漱編『最後の浮世絵師小林清親』蝸牛社、昭和52年)と記している。下岡蓮杖に入門し写真術を習ったのも1865(慶応元)年で、五姓田義松、ワグマンにもこの年に師事している。

小林哥津「〈清親〉考」には「横浜にワグマンを訪ねたのは、暁斎との交際がはじまる前かもしれない。蓮杖叉は原胤昭から紹介されてはあったが、いかにもいかめしい英国領事館の晢の扉をくぐるのはずいぶん勇気がいったろう。横浜絵もまんざら絵空事じゃあな…