2008-11-05から1日間の記事一覧

村越三千男(1872-1948)の没後に刊行され事実上最後の出版物となった『原色植物大図鑑』全5巻(誠文堂新光社、昭和30年10月)には、あのいがみ合う敵対関係にあった牧野富太郎が、補筆改訂を買って出ている。牧野が見せた村越への感謝の気持ちだったのだろうか、牧野の人間性の一端がうかがわれるようないい話ではないですか。素直に口には出せない男の友情ですね。

『原色植物大図鑑』第1巻(誠文堂新光社、昭和30年10月) 巻頭には牧野富太郎が「補筆改訂に際して」という一文を寄せているので、転載して見よう。 「植物に関する図鑑書は現在迄に多数刊行されているが、本書は世界各国に産する植物を網羅した点において、…