2008-08-25から1日間の記事一覧

挿絵:伊東深水、武者小路実篤『母と子』(東京朝日新聞、昭和2年4月)

大正13年、高畠華宵(36歳)と講談社との間で画料問題がこじれ、いわゆる「華宵事件」が起こる。その後華宵は講談社の雑誌への執筆を断り、「日本少年」(実業之日本社)に執筆を開始。多くの少年読者が華宵目当てに「少年倶楽部」から 「日本少年」へと移っ…

折角購入した東京朝日新聞縮刷版なので、もう少し眺めてみよう。昭和初期に1冊1円の全集が爆発的に売れて、全集の大ブームを作った。その火付け役になったのが、改造社が刊行した『現代日本文学全集』で、これはその新聞広告だ。その後、続々と刊行された全集も新聞紙面を使った広告を打ち、派手な広告合戦が展開され、出版史上をにぎわした。

1926年に改造社が募集した『現代日本文学全集』(63巻,菊判)は,約23万セットという予約をとった。新潮社の『世界文学全集』の第1回配本である『レ=ミゼラブル』は50万部を超えたという。平凡社刊行の『現代大衆文学全集』は25万部の予約を獲得した。江戸川…