2008-04-14から1日間の記事一覧

挿絵家の地位向上

「作と絵はそれぞれに対等の力と価値をもつものであらねばなければならない、──十年以前の新聞の続きものヽ殆ど大部分が、絵は作の従で、甚だしきははなはだしきは版下絵と呼ばれ、当の画家も本気で描かなかった、あれではならない──といふ一事でした。そこ…

「挿画は画家の作に非ず、本文の複製なり、その著作権は本文作者にあり」と主張する中里介山が訴訟に踏み切ったものの、石井鶴三との溝は一向に埋まる気配がない。

挿絵/石井鶴三、『大菩薩峠』(光大社、昭和9年) 鶴三は「たとひ挿絵として描いたものであっても、それが其人の画である以上、つまり、他人の画を模したものではなく、画人が其人の画心のはたらきによりて画ける作である以上、それは明に画家の創作であり…