【花名はよく耳にしましたが、初めて花を見たのは数年前でした‼︎】…市内の植物探索(31)

【花名はよく耳にしましたが、初めて花を見たのは数年前でした‼︎】…市内の植物探索(31)
 訳あって2週間も家にこもり、ひさしぶりに散歩に出かけたら、以前の風景とは全く変わって、あちこちに春を知らせる花が満開になっていました。サンシュユもその一つです。
 サンシュユは樹高5~15m位になり、葉が開くより先に開花するため、株全体が鮮やかな黄色に包まる早春を代表する花木のひとつです。花は黄色い小花が30個ほど集まり、直径2~3cmほどの小さな花房(散形花序)をつくって開花します。各花には4本の雄しべがあり、これらが花序の輪郭をぼかし、花序全体が輝いているように見えます。
日本へ渡来したのは享保7年(1722年)のことで、享保の改革の一環として薬用目的に中国から輸入され、小石川御薬園(現小石川植物園)に植栽されたものが後に広まりまた。東京の小石川植物園には、渡来当時の株と、思われるものがまだ健在で、花を咲かせているそうです。
 「さんしゅゆ」は中国名「山茱萸」の音読み。”茱萸”はグミのことで、秋にはグミのような実がなり、赤く熟し、食べられるようです。鮮やかな黄色の花が咲くことから、「春黄金花(はるこがねばな)」の異名を持っています。
中国では古来、サンシュユの実を一日に2~3個ずつ食べれば、不老や強壮の効果があるとされています。
 
西東京市保谷町5丁目で2024.3.16に撮影したサンシュユの木の花

 
西東京市保谷町5丁目で2024.3.16に撮影

 
 
西東京市保谷1丁目で2023.2.17に撮影

西東京市緑町3丁目で2023.3.5に撮影

 
 
西東京市保谷1丁目で2023.2.17に撮影

【地べたを這うように葉を広げるので目立たないヒマラヤユキノシタ‼︎】…市内の植物探索(30)

【地べたを這うように葉を広げるので目立たないヒマラヤユキノシタ‼︎】…市内の植物探索(30)
 ヒマラヤユキノシタ(別名:ベルゲニア)はユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の多年草ヒマラヤ山脈周辺(アフガニスタンから中国にかけて)原産の多年草植物です。明治時代に日本に渡来しました。
 寒さの残る3月〜4月頃に、葉の間から褐色のひょろりと柔らかそうな花茎を伸ばし先端に集散花序をつけ、グループに分かれたピンクや赤、白色の可憐な小花をを数個ずつまとめて咲かせます。革質で厚みのある楕円形の大きな葉を地面に張りつくように広げ、どっしりとした安定感があります。
 別名の「大岩団扇(オオイワウチワ)」はこの大きく肉厚な楕円形の葉が団扇のように見えることや、岩場に生えることから名付けられました。「エレファンツ・イヤー」も葉がゾウの耳に見えることから連想してつけられたそうです。
 花言葉の「忍耐」「秘めた感情」は、ヒマラヤユキノシタが雪が積もっても枯れることなく育ち、早春にピンクや白などの可憐な花を咲かせることからつけられました。
 
 西東京市保谷町5丁目で2023.3.23に撮影したヒマラヤユキノシタ

 
西東京市北原町1丁目で2024.2.24に撮影

 
 
西東京市保谷1丁目で2023.3.26に撮影

【写真を見ただけで、ほろ苦さを思い出すフキノトウ‼︎】…市内の植物探索(29)

【写真を見ただけで、ほろ苦さを思い出すフキノトウ‼︎】…市内の植物探索(29)
 2月はあまり出かけることがなかったので、フキノトウを見逃したかな、と思っていましたが、ひな祭りの日に、保谷町5丁目の道端で今年初めてのフキノトウを見つけました。
 ふきは日本原産の野菜で古来から栽培されていた野菜です。北海道、本州、四国、九州及び沖縄県に分布し、北は樺太朝鮮半島や中国でも見られます。和名フキの語源については諸説あり詳細ははっきりしていませんが、冬に黄花を咲かせるため「冬黄(ふゆき)」の中略とする説もあります。平安時代にはすでに栽培が始められたようで、豊臣秀吉が栽培を推進させ、盛んになったといわれています。
 雪解けを待たず、葉が地表に出ないうちに、地下茎から大きな苞をつけた花茎(花穂)が伸び出し、これを「蕗の薹」(フキノトウ)と呼んでいます。
 ほろ苦い風味が特徴の春の訪れを感じさせる、さわやかな苦み野菜を食べることで、冬の間に溜め込んだ脂肪や老廃物を排出するデトックス効果があると言われています。
  そのまま天ぷらや、重曹を入れた熱湯で軽く茹でて水にさらしアク抜きしてから煮物、和え物、味噌汁、油炒め、ふきのとう味噌などのほか、甘酢和え、粕漬け、味噌漬けにして食べます。一般的には蕾がしっかり締まっているものがよく、花が咲いた状態はかたく、灰汁が強いため食べることは避けられています。
 フキノトウの灰汁にはフキノトキシンとよばれる発がん性物質が含まれているといわれ、多食や常食は避けるべきという意見もあります。
 
西東京市保谷町5丁目で2024.3.3に撮影したフキノトウ

 
西東京市田無町1丁目で2023.2.15に撮影

 
西東京市泉町2丁目で2023.3.7に撮影

 
西東京市泉町3丁目で2023.2.26に撮影

【数十年かけ『布川角左衛門日記物語』(ブックグローブ社)ついに刊行、3月発売予定‼︎』】

【数十年かけ『布川角左衛門日記物語』(ブックグローブ社)ついに刊行、3月発売予定‼︎
 
 わが国の出版界を歩いてきた出版人 布川角左衛門が克明に書いたこれまで見えなかった事実が、この「日記」によって見事によみがえった「日記物語」です。
  私も、「皺紙(しわがみ)」についての論考を寄稿させていただきました。
 
 「わが国の出版界は、長い歴史のなかで多くの苦難の道を歩いてきました。特に戦前戦後は、風雪に耐えながら様々な出来事がありました。本書は、このような時代に生きてきた一人の出版人、布川角左衛門が日々書き綴った日記68年間(1928・昭和3年〜1966・平成8年)をまとめたものです。この日記帳は第2次世界大戦で全てを焼失しましたが、その後、布川さんは、自分の職能や経験を生かすために、出版関係資料の収集とその出来事を公私にわたって手帳に書き続けました。その「日記」をひとつひとつ紐解いてみると、先人の教え、同時代の人々と優れた仕事を分かち合い、自ら切り開き、その仕事を形にしてきました。このことを考えると、布川さんの日本の出版界に果たした功績は大きなものがあります。。と同時にこの「日記」は心と心が通った「日記」の物語として、わが国の出版界の一断面を見事にまとめあげた「挿話」になりました。」(内容見本より)
 
 私も、「皺紙(しわがみ)」についての論考を寄稿させていただきました。
 
 『布川角左衛門日記物語』(ブックグローブ社、27,000円+税)
 A5正寸、上製本、丸背、糸かがり、2冊セット(約1,5000頁、貼り箱入り)

 

 

 

 

【曇った日には花がしぼんでしまう気まぐれなオオキバナカタバミ‼︎】…市内の植物探索(27)

【曇った日には花がしぼんでしまう気まぐれなオオキバナカタバミ‼︎】…市内の植物探索(27)
 オオキバナカタバミ(大黄花片喰、大黄花酢漿草)は、元々は観賞用として輸入されてきた花のようですが、繁殖力の高さから逸出して現在は道端などいたるところで見ることができます。
 カタバミ科カタバミ属のオオキバナカタバミ、学名:Oxalls pes-caprae、属名はギリシャ語のoxsys(=酸っぱい)が語源。種小名 pes-capraeは山羊(やぎ)の足の意味で先割れを意味しています。
 和名は「大黄花片喰」、冬のまだ寒い1月頃から咲きだしカタバミより大きな黄色の花なのでこの名がついています。別名、オキザリス・セルヌア、オキザリス・ペスカプラエなどと呼ばれています。
 南アフリカが原産地で、日本の開花時期は1月~9月。朝に開き、夕方にしぼむという就眠運動を繰り返します。
  花言葉『輝く心』は、むかし真鍮の仏具や鉄製の鏡まどを磨くときに、カタバミの葉を用いたため、別名「鏡草」とよばれることに由来したとされています。
 
 
西東京市谷戸2丁目で2023.4.5に撮影した大黄花酢漿草(おおきばなかたばみ)

 
西東京市北原町1丁目で2023.4.5に撮影

 
 
西東京市保谷町5丁目で2024.2.23に撮影

 
 
西東京市北原町1丁目で2024.1.26に撮影

【西東京市・いこいの森公園に河津桜が咲き始めました!】

西東京市・いこいの森公園に河津桜が咲き始めました!】
 小糠(こぬか)雨降る中、ひばりヶ丘まで用事があり霧雨だから、傘がなくてもいいだろうとチャリで出かけたら、途中のいこいの森公園の入り口の河津桜が3分咲きくらいに咲いているのに出会いました。
 

 

 

【小さな金平糖のような花がなんとも愛おしいイオノプシジウム‼︎】…市内の植物探索(26)

【小さな金平糖のような花がなんとも愛おしいイオノプシジウム‼︎】…市内の植物探索(26)
 2月中旬だというのに、20度超えという陽気に誘われて谷戸新道を散歩していたら、大きな鉢からこぼれるように、薄ムラサキ色の可愛い花がびっしりと咲いているのを見つけました。
 イオノプシジウムは、ポルトガル原産のアブラナ科イオノプシジウム属の一年草です。 日本への渡来時期は不明ですが、近年では栽培を逸出したものが本州各地で野生化しているのが確認されています。園芸で流通しているのはイオノプシジウム・アコーレです。ヒメムラサキハナナ(姫紫花菜)の和名を持ち、バイオレットクレス、ダイヤモンドフラワーの名前で流通することもあります。
 花期は2月~4月。花期になるとこんもりと茂った葉の間から、花柄を長く伸ばし、先端に花径5~10㎜程度の小さな薄紫色の可憐な花を次々と咲かせます。メインの花というよりは、地面を覆うようにマット状に咲き乱れる脇役ですが、いいところは1回植えるとこぼれ種であたり一面に毎年咲いてくれるところです。
 
 西東京市谷戸1丁目で2024.2.16に撮影したイオノプシジウム

 
西東京市谷戸1丁目で2024.2.16に撮影したイオノプシジウム